へんずブログ

所感についてはほぼ日記です。

【amazonプライムビデオ】マンチェスター・バイ・ザ・シー【感想】

マンチェスター・バイ・ザ・シー

2016年公開(日本2017年)

監督=ケネス・ロナーガン

製作=マット・デイモン

主演=ケイシー・アフレック

第89回アカデミー賞…主演男優賞受賞、脚本賞受賞

f:id:takahenz:20180507171515j:image

 

 

ー再び、マンチェスターで。

 

過去をマンチェスターに置いて逃げ、しがない便利屋を続けるリー(ケイシー・アフレック)は、兄の死をきっかけに再びマンチェスターに戻り、自身の過去と現実と向き合う。

 

 だいぶ遅れながら観ました。

 素晴らしい映画でした。

 ケイシーアフレック熱演。最近はアベンジャーズ とかレディプレイヤーワンとか、ひたすらに楽しいだけの映画しか選んでなかったので、久しぶりに揺さぶられる映画見たなあ、という感じです。

 

 何よりも作り方というか、見せ方が上手い、上手すぎます。

 まだ見てない人が見たくなるような事が書ければ。でもネタバレも含みます。

 

 

 

※以下ネタバレ※

 

 

 

1.美しき人物描写

  1-1.甥とリー

 この物語のメイン軸となるのは、過去のトラウマと闘う主人公リーと、思春期に父を亡くし、人生の岐路に立つ甥のパトリックです。

 物語の要所にツーショットの場面が映し出されます。この2人の関係の変化が物語を動かしていくのですが、この演出が最終的に涙を誘います。特にラストシーンは静かに熱くなります。

 大切なファクターとしては、パトリックにとって、本当の「自分」が出せるのは、父親が居なくなった今は、リーだけであるという事。これを本人も自覚のないままなので、パトリックの変化も楽しめます。

 嫌いなんだけど、他人には馬鹿にされたくない。離れて暮らしたいけど、やっぱり寂しい。そんな思春期の感覚。出て行った肉親の母親よりも、血縁は薄いけど小さい頃から一緒だったリーを徐々にパトリックは求めていくのです。その変化はリーの変化から来るものもありました。

 

  1-2.街とリー

 リーは、既婚時代に子供2人を火事で亡くしています。原因はリーの暖炉の不始末。兄を含めリーの友人達はリーを責めようとはしませんが、妻はリーをヒステリックに攻め立てます。自殺したい程の辛い気持ちから逃げ出すため、リーはマンチェスターを離れ、ボストンで孤独に暮らしていました。

 マンチェスターから、妻から逃げ、それでも心配してくれた兄が死に、兄に後見人として選ばれたリーは、仕方なくマンチェスターで生活を再開します。

 ここで改めて、過去と再び向き合う事で、これまでの自分、これからの自分を見つめ直し、前向きになってゆく、、、と思ったのですが。

 リーはやっぱり我慢できなかったんです。

 

  1-3.住人とリー

 マンチェスターに戻ったリーは、過去の火事の件を知っている街の住人たちと交流を待ち始めます。甥の影響もあり、なんとか努力をしますがやはり難しい。

 そんな中、1番リーの心に深くトラウマを呼び起こしたのは、前妻との再会でした。

 前妻はリーを散々に罵倒し家を出て行ったあと、マンチェスターで再婚し、更に子供を授かります。リーとは逆に、幸せを掴んでいます。    自分の過失にしろ、精神的にダメージを与えられたトラウマの張本人に会う。リーは言葉少なくなります。しかもその元妻は、あろうことかリーに「愛してる」「ごめんなさい」と謝意を伝えてきたのです。兄が死に、甥と向き合い、街と向き合う中で更なる追い討ち。泣いて謝って来る元妻に、リーも感情が爆発して涙を流します。

 

  1-4.そして、自分自身と

 戻ってきたマンチェスターで様々な経験を経て、リーは複雑な思いと共に変化していきます。マンチェスターから逃げ出す事で見えてこなかった問題と向き合う事で、リーの中で止まっていた時間が動き出します。

 向き合う事で、リーはやはり我慢できないという結論に至ります。マンチェスターに居続ける事はやはり出来ない。甥を養子に出し、自身はボストンへ戻る決断をします。しかしそれは、甥と、元妻と、死んだ兄と、自分自身と苦しみながらも向き合った結果でした。その為理想とする正解ではなくても、リーは輝いて見え、初めて未来を歩み始めているように見えました。

 

まとめ

 出演者の熱演が凄く目立つ映画でした。

 ストーリーと絡まる事で複雑に変化する人間関係や感情を見事に場面毎に再現し、見る者の心をストーリーから離しませんでした。

 ケイシーアフレックは序盤からラストまで主人公を貫き、他の出演陣とは一線を画す凄味がありましたね。

 最後リーが泣くシーンの演技上手くて、感情の震えが伝わってきて心がざわついたと思ったら、次のシーンでパトリックを熱く抱擁…。

この畳み掛けは素晴らしかった。

 

 ストーリーとしても素敵な終わり方。

いい映画をありがとうございました。

 

 

ここまで2000字弱。

ストーリーの羅列が多かったので次は映画の良さをシンプルに伝えれるように頑張ります。