へんずブログ

ひたすらに理想を見ていたい

【レビュー】手紙は覚えている【amazonプライムビデオ】

ごきげんようけむりです。

 

続いてみたおじいちゃんは

【手紙は覚えている】

(原題:REMEMBER)

2015年、カナダ・ドイツ共作

監督:アトム・エゴヤン

主演:クリストファー・プラマー

 

ー復讐の先にあるものは。

第二次世界大戦で行われたナチス党の大量虐殺から繋がる復讐劇のお話なんですが、時代背景とかを無視すると単純に面白い映画でした。

 

アウシュビッツやらのホロコーストについて話すと長くなるのでWikipediaでもみて背景を補完してから見ると分かりやすく見れると思います。

 

見事なお爺ちゃん映画でした。

 

ネタバレがあると一つも面白く無くなります。

以下ネタバレあり

 

1.簡単なあらすじ

一言で説明するならば、無理するお爺ちゃんを見守る映画でした。

 第二次世界大戦アウシュビッツの大虐殺の生き残りである主人公のゼブ(90歳)は、最愛の妻を亡くし自失する中、老人ホームの友人マックスから手紙を渡されます。それはとある復讐に関しての計画書でした。

 アウシュビッツでゼブとマックスの家族を含む虐殺に加担したのに、裁かれず身分を偽り生き続けているルディ・コランダーというナチスの残党を探し出し復讐する。マックスによれば、容疑者は既に4人まで絞られているとの事でした。老いて身体の自由が効かないマックスの意思を継ぎ、ゼブは単身復讐の旅に出ます。

 ただ、ゼブは最愛の妻の死を忘れる程痴呆が進んでいて、ルディ・コランダーを憎む気持ちも復讐の記憶も覚えていられない為、同じ経験をした戦争被害者のマックス託された細かな復讐の手順を書いた手紙を何度も読み返し、それを辿り仇を探します。

 ここが見ていてかなり心に来るのですが、このゼブじいちゃん、ちょっとでも寝ると記憶が飛びます。しかも記憶が飛ぶのが妻がいなくなる前の為、いつも妻の名を呼ぶ所から始まります。

手紙を辿る旅→記憶なくす→奥さんを呼ぶ→手紙を読んで妻の死を思い出す。物語の中で何度も何度も妻の死を知り悲しむのが、見ていて本当に悲しくなりました。

 この時のゼブ役プラマーの演技のおじいちゃん感が凄くて、感情移入してしまいます。

 そしてゼブのおじいちゃん感とは対照的に、手紙を辿る旅のゼブは冷たいくらいに残酷で容赦なく容疑者を追い詰めていきます。グロッグを相手に突きつけ容疑者を問いただす目は冷たくまるで被害者ではなく加害者のような冷徹さを時折見せるのです。この復讐者としてのゼブと、おぼろげな記憶しか持たないおじいちゃんゼブの相互に与えて来る印象が、ラストの展開に影響して来ます。

 

2.ラストのトリックについて

 お爺ちゃんとしてのゼブのがんばり虚しく結末を迎えます。全ては同じ被害者だったはずのマックスの策略に依るものでした。

 アウシュビッツでの虐殺の被害者は実はマックス一人で、主人公ゼブこそ、マックスの家族を殺し虐殺に加担し逃亡したルディ・ホランダー当人だったのです。

 要は、老いる前からナチス残党を狙っていたマックスが、ボケたゼブ(復讐の相手)を見つけ痴呆である点をつけ狙い、ゼブに偽りの記憶を与え刷り込ませ、もう一人のナチス残党をゼブ本人に探させるように仕向けたのです。

 追い詰めた相手がルディ・ホランダーではなく、かつて虐殺に加担した同胞であり、死ぬべき相手が自分だと知ったゼブは、男を殺して、自身も自殺します。

 ラストシーンは、自身のこめかみに銃を突きつけるゼブが写され、暗転して銃声だけが響きます。

 

3.邦題がうまい。

 見終わって改めて、手紙は覚えているという邦題は、全てを集約していたと感じます。

 ゼブにとっては忘れた記憶を取り戻す為の偽りの道標としては勿論、マックスにとっては老いて尚憎しみを忘れない為の手段として、手紙に全てを託していました。

 当然ながらナチスの虐殺は悪とされている為、ラストシーンで真実を知った登場人物の感情の揺れ動きがドキドキしましたし、より第二次世界大戦の史実を知るドイツの映画ファンは私以上に心が揺さぶられたんではないでしょうか。

 私としては更に、おじいちゃんは悪くないという感覚がミスリードを生み、上手く騙された気持ちです。

 

まとめ

総じてよく出来たストーリだったのですが、事前にプライムビデオの映画説明を読んでしまった為に衝撃度はそんなに大きくありまさんでした。

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読めますかねこれ。最後の一文に

彼を待ち受けていたのは人生を覆すほどの衝撃の真実だった。

こんな書き方されちゃってたので、人生を覆すほどの真実ってなれば物凄く予想しやすく、「あぁ、やっぱりか。」なったので少しがっかりしました。

果たして、彼の復讐の先に見えたものはー。

とか書いてくれるだけでよかったのに。。

 

 

 

最後まで読んでくれた方ありがとうございました。