へんずブログ

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【ネタバレ有】ラストシーンから読み解くスリービルボード【映画】

こんにちはけむりです。

 

 

先日見たスリービルボードの感想をば。

 

【スリービルボード

公開:2017年

監督:マーティン・マクドナー

主演:フランシス・マクドーマンド

第90回アカデミー賞 主演女優賞助演男優賞受賞

 

 



6/2にディスク化されるみたいですね。早い早い。

ストーリーも役者の演技も凄まじいモノがありましたし、大きなテーマ性も感じ取れる映画でした。是非沢山の人に見てもらいたい。

 

スリービルボードの見所

  1-1.正義の所在について

 この映画のスタートからラストまで存在し続けた魅力は、善悪の所在に人間らしさが表れていた点にあると感じました。見終わった後の脱力感はそこから来るものだったし、何が正義で何が悪かみたいな哲学テーマを考えるきっかけを振られたような気もしました。

 ストーリーは娘を惨殺された母親のミルドレッドが、捜査の進展の無い警察を批判し事件解決を目指す為に、三枚の路上看板を立てるところから始まります。赤い背景に黒字で大きく、舞台のミズーリの町の警察署長を名指しで批判するのものであり、メディアもこの行動を報道します。

 ミルドレッドの怒りの大きさがこの看板に表れていて、「娘の為に」という一点の理由で堂々とした振る舞いをする彼女の強さにまず惹かれます。ただ、警察を悪とする彼女の姿勢に対し、街の人々は批判の目を向けます。

 理由は簡単で、署長のウィロビーは街の人々なら慕われた凄くいい奴だったからです。ここがこの映画をさらに魅力的にする点であり、ウィロビー役のサム・ロックウェルの演技が光り助演男優賞を取った理由だと思います。

警察は捜査を怠っているわけではなかったのです(一部役に立たずの警官もいましたが)。更にはウィロビー署長は事件解決の為に尽力しており、捜査の進展がないことにミルドレッドと同じく悔しさを感じていました。更にいうとウィロビー署長は大病を抱えていて、残された余命をいかに過ごすか、という所まで来ていました。街の人々は彼の余生を温和に過ごさせてあげたいと思っています。

 そんな中、真っ向から署長批判をするミルドレッド。そんなミルドレッドを批判し冷たい行動を取る街の人達。

 本来であれば一番の悪は娘を殺した犯人であるにも関わらず、この話の主軸の善悪は、それを加味した上で表現を控え、街の中で善悪を表現しています。それが心に突き刺さってきて、観る者にもどかしさや同じ悔しさを感じます。

 それがこの映画の魅力であり、映画を通して感じる人の人間らしさに胸打たれるのだと感じました。

 

  1-2.主演女優賞助演男優賞を取った実力

 このブレた善悪の中、街の人々から悪とみられても意思を貫き通す役をを全力で熱演したのが主演のフランシス・マクドーマンドです。ミルドレッドは上記の善悪の狭間で葛藤し苦しんでいて、それを演技で爆発させていました。彼女をここまで引き立てたのが、署長役のサムロックウェル。コミカルな演技の印象が多く、幸せに家族と過ごすシーンは素敵でしたが、癌と闘い、自らの命を断つシーンは鳥肌が立ちました。彼の立場はこの映画の中では特殊で、渦中にいるけれどミルドレッドを強く批判しません。彼だけは悪の存在・憎むべき相手は彼女ではないことを分かっていたように思います。だからこそ選んだ自殺は、家族に対して、ミルドレッドに対して、そして自分に対しての「正解」を示したように思いました。

 

  1-3.ラストシーンのネタバレ

 ラストシーンについて詳細を描かず終わったのも、大きなテーマを観た人ににより長く印象付ける為の演出だったと思います。復讐という悪に対してどう考えるか。善悪の所在を投げかけることで、ラストシーンで更に広く考えさせる幅が広がりました。

 新署長が証拠を持ってきたポンコツ警官に言っていた軍の圧力や隠蔽を匂わせる発言も、エンディングの演出で綺麗に収まったように思います。犯人に復讐するラストを描いてしまうと、だいぶこの映画の評価も変わっていただろうし。

 

まとめ

 何ともメッセージ性の強い映画でした。。

 しかもそれに似合う役者陣の演技力は、映画の魅力を更に深めたように思います。

 数々のメッセージを投げかけた作品、遅ればせながらこれから色んな人のレビューを漁ろうかなと思っていますが、それぞれの人がこの映画を通して善悪に対してどう評価しているのか。

 私目線ではミルドレッドは圧倒的に是であるべきだ思うのですが。それにしてもロックウェルの評価がぐっと変わったなあ。。感謝です。

 

 

 

 

最後まで読んでくれた方、ありがとうございました。