へんずブログ

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「ワンダー 君は太陽」がただの児童書で終わらなかった理由【感想】

今回は2018/6/15日本公開、

 

ワンダー 君は太陽」観てきました。

 

https://youtu.be/NuakEAmU5FE

 

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主演は「ROOM ルーム」で全大人の心をかっさらって行ったジェイコブ・トレンブレイ。

 

「ルーム」で魅せた甘い声と愛嬌を今作でも発揮し、親をオーウェン・ウィルソンジュリア・ロバーツが固まる盤石の布陣。

 

このおかげで他の役者の演技も輝いて見えて、改めて名優の凄さを感じました。

 

簡単な作品紹介と、役者の素晴らしさ書いていきます。

最後にネタバレを書きますのでお気をつけください。

 

 

ワンダー 君は太陽」は全てが主人公の映画‼︎そう感じさせた理由

1.作品紹介

 「ワンダー」という名前での児童文学が原作になっています。

 

ワンダー Wonder

ワンダー Wonder

 

300万部を超えるベストセラーになっていて、顔が人よりも【特別】な少年が大衆が暮らす【普遍】の中でどう生きていくかを描いた話です。

 今作で大切なのは、物語を息子【サン=太陽」を中心とした家族・友人みんなが1つの惑星系となって物語が完成しているということです。主人公にスポットを当て続けない所が、身体的ハンデという大きなファイクターに気持ちを持っていかれ過ぎず、ひたすらに人間の内面の大切さを描いた作品になっています。

 

 

2.最高の原作を作り上げる役者紹介

 オギー=息子…ジェイコブ・トランブレイ

 作中の役は他の人よりも顔が特別な少年。数十回の手術を繰り返し、小学5年生より自宅学習をやめ、学校に通い始める。クリスマスにミランダから貰った宇宙飛行士のヘルメットのおもちゃを大事にしており、着用していることが多いが、小学校にはそれを外してゆくことに。

 ジェイコブ・トランブレイ君は2015年の「ルーム」が印象強く残っています。生まれてからそのと世界を知らずに隔離されてきた少年の演技力に、観客の心は奪われました。

 

イザベル=母親…ジュリア・ロバーツ

 作中の役はオギーを支えるお母さん。息子の為に論文の執筆をやめ、息子の育児に専念するようになります。オギーを学校に行かせることを家族の中でだれよりも推しているのも彼女で、同世代の子達と暮らすことに不安を見せながらも、あえてつきはなし応援する姿勢を貫きます。子供の成長に感動して震える表情とかを見ていると、こっちまで感情的になりました。

 ハリウッド女優の代名詞といってもいいんではないでしょうか。彼女の魅力って台詞をバシバシ喋って伝えることになるんじゃなくて、感情をこらえたり、無言で訴えてる時の表情にあると思います。何とも言えない感情表現が観客とシンクロして、物語により深く入ってゆくきっかけを与えてくれます。

 個人的代表作は「プリティ・ウーマン」、「ノッティングヒルの恋人」、最近では「オーシャンズ」シリーズで顔を覚えている人も多いんではないでしょうか。

 

ネート=父親…オーウェン・ウィルソン

 作中の役はオギーをいつも笑顔にしてくれる父親。オギーがつらい時や悲しい時に、いつも男の友人として傍で支えてくれます。父親としてというよりも親友として一緒に楽しもうとしている姿が印象的でした。

 大好きなオーウェンが【父親】役って最高以外の言葉が見つかりません。コミカルで感情的な彼の演技はみていて幸せになりますし、適度なイケメン具合がまた心をワクワクさせてくれるんですよねー。

個人的代表作は、「ミッドナイト・イン・パリ」、「マイ・ファニー・レディ」。特にミッドナイトに関しては官界見ても飽きない映画の主人公として、見事なトラベラーっぷりを魅せてくれています。

 

ヴィア=姉…イザベラ・ビドビッチ

 オギーより先に生まれた、彼女曰く「いい意味で外れの子」。持って生まれたものでオギーはだれにも愛される天使で、彼女は弟が大好きな反面、いくつかのシーンでさみしさを匂わせます。大好きな祖母との別れ、友人との離縁を経て、私の中では一番好きなキャラクターでした。娘としての自分と、姉としての自分の両面を持ちながら、作中でも重要な主人公として作られています。

 

ミランダ…ダニエル・ローズ・ラッセ

 ヴィアの親友で、オギーにヘルメットを贈った人物。ある理由でヴィアと距離を置くことになりますが、その理由が可愛くて素敵でした。もっと彼女とヴィアに焦点を当てても物語の主軸はぶれなかったと思いますが、どうなんでしょうかね。

 彼女のおすすめのシーンは、オギーと電話で気持ちをあらわにするところ。青春時代を送ってきた人たちは誰もが共感できるんではないでしょうか。後凄い美人です。

 

ジャック…ノア・ジュプ

 最後はオギーの友達ジャック。最初は学校からのお願いでオギーの案内役を任され億劫な気持ちになっていた彼ですが、学校の中でだれよりも早くオギーの魅力に気付いた人物でもあります。

 調べてみたら2005年生まれの13歳…?将来有望すぎる。

 

3.何が観客の心を捉えたか

 適当な人物紹介を終え、今作で何が観客の心を捉えたかについて考えると、それは群像劇であるという点でした。見る前の印象はハンデのあるオギーにのみスポットを当て、他の人たちが主人公を支えるシーンで作られると思っていましたが、それだけではありませんでした。

 

 作中でもオギーを全く映さずに、姉・姉の親友にもスポット当て、それぞれの感情を描きます。そして再度オギーに視点を戻した時に、見る側の感情は観客のそれではなく、ともにオギーを支える視点に切り替わっている気がするのです。

 

 もちろん【主人公】として君臨する人物はいたとしても、その周りの人たちすべてにストーリーがあってそれぞれが悩み苦しんでいる。だからこそ、誰かの為に感情を注ぐことができるんだと見ながら思いました。これが凄く道徳的で、児童書として多くの人に認められた理由だと勝手に思ったりしています。

 

 特に素晴らしかったのが姉とミランダの話。これはネタバレなしには語れないのでここでは抑えます。

 

4.ネタバレを含んだ私的感想

 上述しましたが、今作で好きだったのはオギーの姉ヴィアと、ヴィアの親友ミランダのストーリーでした。ヴィアは自分のことを「いい意味で外れを引いた子」と卑下しています。

 

 つまり、正面に向かっていうことは出来ないけれど、「ハンディキャップを持って生まれた弟に嫉妬している」ということでした。絶対に表に出せない感情であるということは、本人が一番わかっている。でも、手のかからない子として認識され続けることの苦痛は、感情の希薄を感じてすごく辛くなってしまいます。

 

 個人的に置き換えても、自分のはまともにやっているのに、なぜ出来ないやつ対してのほうが感情の比重が高いのか。という感覚。理不尽を感じながらもそれに文句を言えない気持ちが私的にも凄く良く分かって、ヴィアを作中で追うようになりました。

 

 これが親友ミランダのおかげでさらに助長して心を奪いにかかります。ミランダも最近まではオギーの姉のような存在でしたが、ヴィアのいないサマーキャンプで、ヴィアフリ、つまり【ハンデのある弟を抱えて、自分の理不尽な不幸に悩む姉】をごっこ遊びで演じてしまい、それで周りの人気を得てしまった罪悪感からヴィアと距離を取るようになります。

 

 親友だからこそ、この罪悪感にさいなまれることが凄く辛くなりましたし、応援する気持ちになりました。こんな二人が再びオギーを通じて縁を戻し、楽しく語り合うシーンはぐっとなりました。

 

 こういう周りのキャラクターの素晴らしいストーリーが今作では随所に織り込まれていて、オギーの同級生、先生に至るまで、周りのストーリーを盛り上げることで、オギーに対する感情がどんどん高まっていくんです。

 

 あと最高だったのが、お父さんがオギーのヘルメットを隠したことをオギーに告白し許しを請うシーン。誰かが隠したのは分かっていましたから、どうバラすのか気になるところでしたが、ネートはここでも父親としての側面と、友人としての両面からオギーに接していたのが、素晴らしかったです。息子にとっての父親は単に憧れや畏怖する対象ではなく、同じ男としてもいてほしいもんなんですよね。年齢関係なく。

 

 そしてラストシーン、頑張ったオギーは学年で一番輝いた人に与えられる賞を貰います。皆からの歓声・拍手・笑顔も、それぞれのキャラクター性を見せつけられたからこそ嬉しく見れます。

 

 そんでもって姉ちゃん(ヴィア)、誰よりも号泣してるんですよね。素晴らしいシーンでした。

 

 

 

 

 ぜひ、皆さんも見てみてください。ネタバレがあっても、楽しめる素晴らしい作品でした。

 最後まで読んでくれた方、ありがとうございました。